木箱を制作したい、とのご依頼がありました。
空きスペースにフィットしたピッチャーを並べて置ける箱が欲しいとのこと。
お客様からはイメージ写真や図面のほか、お勧めの材木や塗料を教えてほしいとのご要望がありました。
ヒアリング・見積りの作成・ご提案
まずはこちらから提案できる素材、作り方、必要な工具、必要な時間等をお見積りと共に提案させていただきました。
板材や塗料に関しては悩まれていたので、お越しいただき実際見て選んでいただきました。
提案させていただいたのはベニヤ、構造用合板、OSBの3種類。
ベニヤは表面にラワン材を貼ったシンプルな合板。DIYでのよく使われる板材です。構造用合板は建築の下地材として使われる合板。下地材なので表面は荒いのですが、木の素材感を出したいのであればいいかなと思ってのご提案です。OSBは木材の細かい小片を接着した合板。下地としても仕上げとしても使われる、少しおしゃれ?な合板です。
その他接合の方法やどの程度作業をご自身でやられるのかなどをヒアリングさせていただき、下記の通りに決まりました。
・板材はOSBを使用、接合はビス+ダボ、塗料は水性のウレタンニスを使用。
・作業は板材の切断、墨付け、ビス穴あけまではこちらで担当し、ビス止め、ダボによる穴隠し、塗装は自分で。
イメージとしては2時間くらいで終わるかな…と思っていたのですが、結果的に2日来ていただくこととなりました…
事前準備…持ち手の穴があかない!
板材を切断し、ビス穴、取っ手の穴をあけるだけなので準備にはそんなに時間がかからないだろう…と思っていました。
板材の切断、ビズ穴開けまではあっという間。
問題は持ち手。大き目のドリルを準備していたのですが、使ってみると最後がえぐれてうまくいかない。であればトリマーで…と試してもきれいにあかない。最終的にはホールソーとジグソーで何とか綺麗に持ち手の穴はあけられたのですが、結果的に2日来ていただくこととなってしまいました…
組立作業

組立作業はご自身でやっていただきました。
電動工具はあまり使ったことがないとのことなので、教えながらの作業です。使用工具はマキタの18Vのインパクトドライバー。普通にスイッチを押してしまうと一気にめり込んでしまうため、少しずつゆっくり進めてもらいました。ダボでの穴隠しでは手鋸を使ってもらいましたが、力の入れ方や角度などが難しかったようで斜めなったりもしましたが、最後はやすりで整えるなどして綺麗に仕上がりました。
塗装は乾燥の待ち時間もあるため、塗料と道具をお貸しし、ご自宅でやっていただくこととなりました。
完成!



自宅で塗装していただき完成、実際使った写真を送っていただきました!
綺麗に仕上がってスペースにもちょうどよく収まっています。
制作後記
後日、今回の作業を通して感じたことなどいろいろご意見をいただきました。
特に私が気になったのは費用感です。
今回は材料、工具・スペースのレンタル、指導等々含めて約10,000円でやらせていただきました。小さな木箱と考えると高いと感じるかもしれません。実際似たような商品はホームセンターや100均にもあります。お客様からは見積、材料選定・加工、作業、清掃等々を考えるとコスパはよいと感じた、とのご感想をいただきました。
とはいえDIYをする方は、よっぽどの趣味の方や自分のスペースにぴったりのモノが欲しい方、ものを大切にする方で、こういったスペースを利用するのは作業場に困っている方ではないか、とのことでした。
どれも共感するところなのですが、特に“ものを大切にする”という価値観は私も非常に共感するところで、DIYを通して伝えたい・大事にしたいところです。付け加えるならば、味…といいましょうか、既製品に比べるといびつさがあったり、経年の変化も出てくると思いますが、そういったものも一つの味、魅力と私は思っています。それは既製品にはない唯一無二の価値。
今回は“どうしてもぴったりなサイズのものが欲しい”とのことで作るしかない→DIYに至ったとのことでした。
そういった声に一つでも多く答えることができればと思っています。